あえて出身大学名を無視して新卒採用をする意味は本当にあるのか

会社に長く在籍していると、採用や人材育成に関わる機会が出てくるものです。

採用の面でも、人材育成の面でも「正解」という選択肢はありません。

たぶん、これが正解と思われる選択肢を見つけていかなければならない場面が多いです。

採用や教育はトレンドがあり、「ゆとり世代」「Z世代」といった造語も出てきます。

最近は、大学名を考慮しない採用活動も流行っていると聞きます。

いろんな面で新卒採用の在り方を見直す時期に来たのかもしれません。

最近の求人状況

ここ数年は学生のほうが有利な状況です。

求人倍率は高い状態で推移しています。

求人倍率が高いということは、数字だけでいえば学生は仕事選びには困らないと言えます。

企業側は思い通りの学生が採用できず、大きな課題を抱えているということです。

とはいっても大手と中小では採用難易度はやはり違います。

中小にとっては採用予定数に満たなくても仕方ないと諦める、採用基準を落として採用数を維持していくしかありません。

採用基準を落としてでも、数を確保する、その中からうまく育成していきたいと期待を抱いて採用活動を進めている人事担当者は多いかもしれません。

もちろん、良い人材をとることができるように社内の改革を進めていくことも大切です。

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学生と接していて感じること

以前から大学生でも基礎学力の低下が叫ばれています。

もちろん上位校は違うかもしれません。

大学全入時代と称されるようになったことや、教育カリキュラム等の変更が原因かもしれません。

あくまでも全体の傾向的な話です。

あくまでも偏差値が高いから良い、低いから悪い、という話がしたいのではありません。

ただ、問題解決力や問題発見力、応用理解などはそれなりに学力と比例していると最近強く感じるようになりました。

僕はもともと学歴や学校名は、それほど気にしない立場でしたが、最近は学力という素養が大事だと思うことが多々ありました。

なぜ筆記試験を実施するのか

筆記試験を実施せず面接だけで採否を決めるのはリスクが高いです。

面接だけで人物を見抜くことができる面接官はいるかもしれません。

一般的な面接官にはまだまだ難しいことです。

判断材料が少ない中で新卒採用をすることには企業側も不安があるので、筆記試験や適性検査を実施したり、何回か面接試験を行うのです。

新卒の筆記試験は純粋な学力ではなく、頭の回転をおもに見ているケースが多いです。

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学力以外に大切なこと

子育ての方法が変わり、ストレス耐性があまり高くない人が増えてきたと評されることもあります。

一方では、のびのびした柔軟な発想力を持つ子が多いのも事実。

学力以外の面でもいろいろ変化があるなと実感しています。

僕の周りにはユニークな発想を持つタイプの人が多くて、逆に刺激を受けます。

僕が学生の頃は詰め込み教育でした。

型にはまったスタイルの人間も多かったように思います。

今ではふつうにできることが当時では主流から外れていると評されたことも多々ありました。

大学名や偏差値で採用をすすめる理由

一般論として、偏差値が高い学生は、ビジネス素養がある可能性も高いということです。

語学にしても、数的処理にしても、これが実態ではないでしょうか。

花を咲かすことができるかは周りの環境次第でもあります。

大学で勉強した専門領域を、入社時からそのまま企業で使うことはほとんどありません。

もちろんその領域にもよりますが文系はとくにその傾向が強いです。

また、学力とコミュニケーション力は別で、職種が変わると通用しなくなることはよくあります。

大学名や偏差値で採用をすすめていく理由もなんとなく想像がつくものです。

上場企業役員の出身大学名や、国家公務員試験の合格者数実績を見ると同じことが言えます。

大学名だけで採用をするのはいかがなものかと思いますが、ある程度は大事なのです。

元・新卒採用担当者の意見

大手にしか興味のない学生は、それを見据えて偏差値の高い大学に通うのが一番の最短ルートです。

何万という学生が母集団を形成する企業では、書類選考で弾かれることも多々あります。

「学歴フィルタ」というものです、裏ではまだ残っています。

同じ土俵に上がるには、実際のところ大学名もある程度は大事だというわけです。

ただ、有名大学ではないから世間で通用しないかと言われれば、もちろんそうではありません。

学力よりコミュニケーション力や要領の良さの方が重視される場面もたくさんあります。

  • 自身の能力
  • 環境への適応力
  • 職場環境(会社・上司や同僚などの人)

3つが揃ってはじめて人が育つことを忘れずにいたいものです。

【まとめ】大学名をあえて無視した採用をする意味はない

一定の偏差値以上の大学に通っていない学生を選考の土俵に上げない企業はいまだにあります。

大学名を無視して選考を行う企業もあります。

企業の方針なので、どちらが良い・悪いといったことではありません。

誰を採用するかは企業側の裁量でもあります。

学歴フィルタは差別という指摘もありますが、「基本的には」自由ですし、その企業が決めればいいことなのです。

差別だという声を反映して、大学名を無視しますと公言する必要はありません。

ただ、やはりある程度大学名は大事です。

記事を書いた人

ちゃおんぱむ

いろいろなことに興味を持つようにしています。

趣味は、レース・自転車・旅行・食べ歩きなど。オフの時間帯はだいたい家族サービスとブログ作成に奮闘。

twitterはこちら( @ciaonpam

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