大手リクルートであっても紙メディアの運営環境は厳しいものがある

30代以上の人であれば、一度くらいは聞いたことがあるかと思う「リーマンショック」。リーマンショック以降は求人市況も着実に良い方向に転じてきたと言えます。良い方向とは言っても、あくまでも求職者の視点での話にはなるので、募集をする会社側にとってはずっと厳しい状況が続いています。求人広告の会社が売上を上げ、利益確保してきたのは、求人広告の掲載依頼をする立場の人間として肌で感じてきたつもりです。求人メディアはネットと紙とありますが、最近はやはりネットが先行しており、紙の市場は厳しいものがありますよね。

コロナはリーマン以上かもしれない

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求人市況は間違いなく低迷している

ここ数ヶ月間は、コロナショックと呼ばれるように政治も経済も大きく低迷しています。

求人掲載件数が減っているなによりの証拠です。どの業界がということはありませんが、製造も流通もサービス業も全ての業種においてマイナス傾向が強いです。輸入が止まり、生産活動ができなかったり、自粛ムードが強くて消費活動の低迷、店舗来店客数の大幅減少などの要因を受けたためであることは間違いありません。

この記事を書いたのは、2020年3月27日。ここ数週間に渡って、求人誌のタウンワーク冊子は徐々に薄くなってきています。2020年3月16日発行のものと、3月23日発行のもの、たった2週分見比べるだけでも全然違います。

タウンワーク 名古屋西部・西尾張版の変化

名古屋西部版は24ページの減少でした。掲載サイズにもよりますが、1ページあたり8~10件の案件が掲載されていることを考えると、単純に190~240件くらいの案件が減少していることになるのではないでしょうか。

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タウンワーク 三重版の変化

三重版も24ページの減となっています。

タウンワーク 名古屋東部・瀬戸周辺版の変化

名古屋東部版は32ページの減少でした。単純に256~320件くらいの案件が減っていることになります。

今回は東海地区のタウンワークばかりなので全国的な傾向も全く同じとまではいかないかと思います。しかし、ある程度は似ている部分があると思っています。

採用活動の先細りは広告会社にも悪影響

求人広告のあり方が大きく変化している上に、求人案件数・掲載社数が減り、そのパイの獲得の争いが激化している状況ではないかと思います。会社間や営業担当者レベルでも格差が大きくなりつつあることを実感しています。

変化に対応できないと取り残されてますます縮小の一途をたどることになるのだろうと思います。最近のトレンドとしては大きく2つありますよね。

トレンド1:求人まとめ型サイトの成長

求職者も会社もインターネット求人を活用しており、実際は少し違いますが無料で運営できるindeedあたりの求人まとめ型サイトに頼る中小企業の数がさらに増えると予測しています。

景気が悪くなり、余分な出費を抑えるときに真っ先に目が行きがちな求人に関する費用。コマーシャルでは「無料で掲載できる!」などと言っているものだからそういうイメージだけが先行してしまいます。

無料で運営できるというのと、無料で人を集めるというのは次元が少し異なるので注意も必要です。

トレンド2:web面接などのデバイス活用の動き

応募者も、会社側も対面で会うことを避けたがるおたがいの希望に便乗して、web面接を導入しないかという営業が明らかに増えました。また、導入する企業も着実に増えているようです。

オンラインで面接をする「web面接」、想定質問に対して回答している様子を動画に収める「録画面接」、会社説明会をオンライン配信や録画配信する「web説明会」などが主な商材となります。

会社見学もせず、全てオンラインでというのも可能ですが、入社後のミスマッチに対する懸念もいろいろなところで耳にします。

変化に対応できなければ自然淘汰される

特約代理店として、そこの商品だけを扱っていても売上は先細りとなっていくものです。紙メディアだけを売っていても時代の流れに取り残されてしまいます。変化に乗れなかった代理店や営業マンはじわじわと数字的に苦しくなります。

現にそういう代理店や営業担当者を直に見てきました。

変化に対応できる個人や組織でありたいものです。

数字的に厳しいのはリクルートも同様

紙メディアだけに限って言えば、リクルートの置かれた状況も他の紙メディアと同様に厳しいものです。実は早い段階から、タウンワークは2020年あたりに廃刊になるとの噂を聞いていました。その噂の一部なのか、全部なのかは分かりませんが、タウンワーク社員版は廃刊となっています。

そして、この2020年4月から掲載企業に対して掲載誌の見本を提供しなくなりました。もちろんこれはリクルートの代理店を通じて行っていたサービスになりますが、代理店に掲載誌が届かなくなり、結果として掲載企業に回ってこなくなると聞いています。

代替策として掲載誌をWEBカタログのように閲覧できるようになりましたが、リクルート側の手間だけを省くものではないと思いたいものです。

いろいろな取り組みの背景にあるもの

プラスに考えれば、紙資源の有効活用やコスト削減。マイナスに考えれば、それだけ採算が厳しいということの裏返しです。

しかし、そこまで削減するということは求人事業主の視点からすると、ラックに設置してある冊数も相当数削られているのではないだろうかと疑ってしまいます。駅やショッピングモールなどに設置してあるラックも相当、見直しがかかるのではないでしょうか。もちろん、減らす方向での見直しです。

個人的には、現在発行されている版がいくつか統合されて、縮小になると思っています。学生時代のアルバイト探しの頃から求人誌にはお世話になっているので、少し寂しい気もしますが、時代の流れとしては仕方ないことですね。

リクルートが発行するタウンワークが難なく運営できているように思えるのは、求人誌としてはナンバー1の地位を占めているからかもしれませんね。

記事を書いた人

ちゃおんぱむ

いろいろなことに興味を持つようにしています。

趣味は、レース・自転車・旅行・食べ歩きなど。オフの時間帯はだいたい家族サービスとブログ作成に奮闘。

twitterはこちら( @ciaonpam

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