anという大ブランドの終焉がもたらす今後の求人メディアへの影響

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先日、8月1日にパーソルホールディングスという会社から発表された「 an 」という求人メディアブランド廃止のプレスリリース。採用部門に籍を置いている立場の筆者としては、結構大きな衝撃が走った。もともと、インテリジェンスという会社で運営をしていた期間が長いブランドで、お世話になっていたこともある。㈱リクルートのタウンワーク、ディップ㈱のバイトル、㈱マイナビのマイナビバイトなどとともに親しまれてきた有名求人サイトの終了の背景には何があるのかを考えてみた。

創刊から52年の歴史を持つan

1967年に前身である「日刊アルバイトニュース」を創刊して、今年で52年。筆者はキャリア的にanになってからしか知らないが、求人誌の中ではパイオニア的存在で断トツの歴史を誇る。直接聞いたことはないが、アルバイトニュースという言葉を外国語に直した時の、”Arbeit News”でanなのか、ローマ字表記でanなのかは分からないが、anという名前が浸透していることだけは明らかだ。

きゃりーぱみゅぱみゅ、アンガールズを始め、多くの著名人がイメージキャラクターを務めてきたことは、もはや説明不要だと思う。

紙メディアから始まり(現在は廃刊)、インターネットメディアとのミックス、LINEバイトといったいろいろな方面での展開がなされていた。なぜ、終了という経緯に至ったのかは、運営会社であるパーソルホールディングス㈱のIR情報のページに非常に分かりやすく表記されているのでリンクを貼っておく。

アルバイト求人情報「an」サービス終了のお知らせ(PDF)

パーソルホールディングス株式会社 HPより

もともと2大メディア「an(アン)」「doda(デューダ)」を展開してきたパーソルホールディングス。anはアルバイト・社員向けのメディア、dodaは正社員向けのメディアとして広く知られている。

(若年)労働力人口の減少、求人メディアの在り方、採用手法が大きく変化を迎え、今後もますます変化が予測される中で将来を見据え、より営業効率の高いdodaへのHR集中を図ったのではないだろうか。

おそらくan事業単体で赤字ではないだろうから、先行きを見据えた事業判断ということになろうかと思う。

採用担当者としての視点から見たan

筆者は愛知県に本社を置くアウトソーシング会社で採用を担当をしている。少し厳しい表記もさせてもらうが、あくまでも私見として読み流してもらいたい。

中京圏ではまだまだ紙メディアの必要性も叫ばれる中、複数のメディアがインターネットメディアへの移行を進めた。an、dodaもその1つだ。残念なことに、最近は街中ではタウンワークくらいしか見なくなったように思う。

競合がどんどん減っていく中でリクルートとしては販路を拡大しやすかったのではないだろうか。

求人情報誌の必要性もまだまだ感じている筆者からすれば、ネットのみのメディアに掲載することは躊躇していまう。もちろん価格設定にもよるが、メディアミックスで幅広く網を張りたいのが派遣会社だからだ。

LINEバイトといった新しい取り組みもなされていたものの、正直魅力が薄かった。日本人はSNSツールで仕事・アルバイト探しを積極的にしない。面接に来る人に質問しても、SNSツール経由の応募者には出会ったことがない。

あくまでもLINEは友達と連絡をとるためのツール。公式LINEなどフォローすることもあるが通知が多すぎて、読み流し・未読無視がほとんどなのではないだろうか。筆者はその1人でもある。

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そういった背景もあり、少しずつ掲載頻度が減っていって、ここ数年は掲載していなかったのが実情だ。もちろん、営業担当の方の接触頻度にもよるところはあるが。

求人メディアの今後の方向性はどうなるのか

求人メディアの統廃合、新規サイト立ち上げなど各社により方向性が異なる。ネットメディアだけを見れば、まだまだ新しいものが立ち上げられている。全体的にローコストで立ち上げができるためだろう、筆者もよく営業の電話を受けることがある。

ただ、求職者の仕事探しの在り方が変化しているのは確かだと思う。仕事を探すために、タウンワークという求人誌を見る、anというサイトを見る、マイナビバイトというサイトを見て、希望条件を入力して、それぞれのサイトで情報を見るというスタンスではなくなってきた。

「indeed」というサイトでちょっとしたキーワードだけ入力して一覧を表示する。そして気に入ったところだけ詳細を見て、手当たり次第応募する人の割合の方が高くなっているのではないだろうか。「Googleしごと検索」もその1つである。だからこそ、メディアの各会社が、indeedやGoogleしごと検索に対する対策をとっているのである。

アウトソーシングを事業の柱とする会社では求人案件を多数揃えており、オウンドメディアに力を入れ始めているのも、そういった時代背景があるからこそだと思う。オウンドだけではまだまだ競争力はないので、各メディアに頼っているのが実情だが、数年経てば力関係は変わるだろう。

筆者は受付コールセンターの担当もしているが、最近増えているのが「indeedを見て電話した」との声。まとめサイトになので、タウンワークなり、anなり、他のサイトに飛ぶはずなのだが、一般の方にはなかなかなじみが薄いのか理解してもらえない。逆に言えば、それぞれのサイトに対する認知度が低くなってきているのかもしれない。

タウンワークはリクルートという認識は高いと思う。とはいっても、実はタウンワークに掲載してもらう営業をしているのはリクルートではなく、代理店が行っている。以前は、リクルート(正式にはリクルートジョブズ)と代理店が販売業務を行っていたのだが、切り離して構造を変えたのだ。そういった経緯もこれから先のことを見据えたためかもしれない。

今回のan終了も同様にまだまだ、求人市場の変革の一端かもしれない。

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