サーキットで破裂骨折に遭った筆者を治療してくれたのは福島達樹先生

もう9年近く前の話になります。

サーキットでの走行中に大クラッシュに遭いました。

レーシングカートでの練習走行中の出来事でした。

その翌週に開催されるレースには僕はエントリーしていませんでしたが、中身の濃い練習ができるいい機会だということで走行をしました。

大怪我をしたのは2013年6月30日の日曜日でした。

自分としては忘れてはいけない事故ということで少し振り返ってみました。

クラッシュの状況説明

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当日の路面コンディション

当日の天気は晴れ。

初夏の6月ということで、ヘルメット、レーシングスーツを身に付けて走行すれば、かなりいい汗をかくような気温でした。

かといって真夏ではありません。

脱水症状になるようなことはなく、健康上の問題は全くありませんでした。

この日は走行台数が多く、エンジン(カテゴリー)ごとにクラス分けがあり、15~20分を1セッションとして練習走行が行われていました。

僕はAvantiクラスに該当します。

KT(YAMAHA)クラス、MAX(ROTAX)クラスとの混走でした。

参加台数は多かったですが、多すぎて走れない、走りにくいなどは感じませんでした。

最高速だけでいえば、KTとMAXの間にあるのがAvantiです。

レーシングカートのクラッシュで腰椎破裂骨折

ブランク明けの走行

僕は約2ヶ月ぶりの走行でしたが、大きなブランクとは思っていません。

慢心があったわけでもありません。

いつも以上の心構えで臨んでいたつもりです。

2013年は、カート競技人生で初めて新車を投入したシーズンでした。

しかし、自分の技量不足もあり、新車をうまく乗りこなすことができなくて、焦りがあったのも事実です。

当日も、いまひとつのラップタイムの連続でした。

セッション中もいろいろ考えながら走っていました。

でも、うまくタイムに結びつけることはできていません。

そんな時に、ちょうど前に現れたのが、(エンジンが)格上MAXクラスのチームメイトでした。

彼は過去にシリーズチャンピオンに輝いたこともある実績もエンジンも格上の速いドライバーです。

この日は彼自身も流れに乗れていないドライバーの1人でした。

なんとか少しでも食らいついていくことができれば、自分の走りも変わるかもしれない。

そんな一筋の光にすがりつきたかった、結果を出したかった、そんな思いだけでした。

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鈴鹿サーキット南コースのコース図

モビリティランドのホームページからコース図を引用しました。

僕にとってはどのコースよりも走り慣れた鈴鹿サーキットの国際南コースです。

骨折の現場

クラッシュした場所は最終コーナーを立ち上がって、アクセル全開の区間。

メインストレートの直前ですが、ほぼメインストレートです。

ストレートなので見通しは全く問題ありません。

公式ホームページの図で見ると、『F地点』を通り過ぎて、トイレがある辺りを通過したあたりです。

チームメイトの彼が前、筆者が後ろ。

インコース側を2台の連結列車状態で走行していました。

車間をほぼ空けずに、すぐ後方を走ることで、スリップストリームが得られます。

そのため、ラップタイムの改善も少しだけできました。

先導してもらうことで、まだタイムを伸ばせる期待もしました。

まだまだとの思いだけで気持ちに余裕がないまま数ラップを重ね…結果的にアクシデントが起きてしまいました。

前を走る彼がいきなりふらつき、右側(コースのある方)ではなくコースアウトするように左側(ダート面の方)に避けたのです。

彼の背中しか見れていなかった僕には、状況が理解できませんでした。

目の前に現れたのは、横向きに急停車した別のカート。

事故のあとで聞いたのは、コースアウトしたカートがコース上に戻ってきてしまい、停車してしまったとのことです。

ステアリング操作だけでは避けられず、そのまま追突してしまいました。

走行中のクラッシュは何度か経験していますが、今回のようにエネルギーが『0』のものに当たったことは、クラッシュパッド以外は経験がありませんでした。

クラッシュして相手に乗りあげてしまったのも初めてです。

頭と胸を強打したかと思えるような、そんな衝撃でした。

今まで経験したことのない激痛に襲われ、他のドライバーの迷惑にならないように、なんとかコース脇に寄せることができました。

クラッシュした瞬間に足の骨が折れたことはなんとなく認識できました。

ただ、それ以上に背中が痛く、シートから自力で降りることはできませんでした。

診断結果について

当初はサーキットの医務室に運ばれましたが、詳しい診察や治療ができないため鈴鹿回生病院(三重県鈴鹿市)に緊急搬送されました。

鈴鹿回生病院はサーキットから運ばれてくる患者も多いと聞いたことがあります。

また、整形外科領域には特に力を入れており、著名な看板医師が多い地元では有名な病院の1つです。

骨折で入院

日曜日は当直の医師しかいないので、詳しい診断は翌日に持ち越しになりました。

右足の中足骨が折れているのは専門外の医師が診ても確定。

脊椎に関しては恐らく折れているが、今後の治療方針は主治医の判断を待ってほしいとのことでした。

脊椎は損傷の程度しだいで体に麻痺が出てしまう可能性のある大事な場所。

レース界でもたくさんのドライバーがアクシデントで不随になったり、後遺症が残ってしまい、大変な思いをされています。

正式な診断は、第一腰椎破裂骨折(L1)と右中足骨の骨折(Ⅲ・Ⅳ)。

総合的に判断して腰は手術をした方がいいとのことでした。

医学的な用語で言えば保存療法ではなく、手術を選択するということです。

手術内容について

手術内容については除圧と後方固定。

足は、折れた際に大きく骨がずれており、ピンを通して補正する手術(ピンニング)の必要があるとのことでした。

手術は、うつぶせの状態で腰椎からスタート。

まずは砕けてしまった腰の骨を除去するところから始めます、これを除圧といいます。

僕の場合は砕けた骨の一部が神経に触れ、触れた箇所で軽い炎症が起き、神経が腫れていました。

そして、1ブロック(第1腰椎)のうちの2/3近くが砕けてしまったので、そこに人工の骨セメントを埋め込みます。そして、体を曲げることで不意な圧力が掛かり、セメントが変形しないように固まるまでの間、上下の骨をボルトで固定して終了となります。

腰の手術が終わり次第、仰向けにして、次は中足骨のピンニング。

体外から針金を(骨の中に)通して完了、今回は3本の針金を使用しました。腰と足の2ヶ所の手術は全身麻酔で、計5~6時間くらいの時間を要しました。

術後、3~4カ月は腰から鎖骨まである大きな硬性コルセットを着用しました。

人工セメントが完全に固まるまでは、曲げることは一切厳禁です。

腰にかかる負担や痛みも小さくすることができるので、ずいぶん助かりました。

中足骨も骨折

腰椎については、今回は金具で固定する手術でしたが、1年後をめどに金具を抜く抜釘術を受ける必要がありました。

高齢の患者さんだと、リスクの方が大きいため抜釘術を受けないケースが多いようです。

当時、僕は30代前半。

体内で金具が折れたり、金具の上に骨が形成されたりするリスクを考えると、抜釘術を強く薦められました。

なお、数カ月で足のピンは抜きましたが、抜く際は麻酔を打ちませんでした。

骨の中を通っているピンなので麻酔は効かないとのことでした。

2本目、3本目と抜いていくごとに痛みが大きくなっていったことと、ひどく出血したのは今でも覚えています。

あまり気分のいいものではありません。

抜釘術も無事に完了して、形式的には完治扱い

固定してあるボルトは術後に記念としてもらいました。

今でも自分に対する戒めの意味合いで保管しています。

これを見ると、本当に後遺症が残らなくて良かったなと改めて思えてくるのです。

腰椎破裂骨折

こんなに長いピンが自分の体内に入っていたかと思うと恐ろしくなります。

鈴鹿サーキットのオフィシャルには迅速に助けてもらい、的確な対応を頂いたことには感謝しかありません。

事故後に訪れた際も心配して声をかけて頂いたり、本当に頭が上がらない思いです。

福島達樹ドクターには一番の感謝

また、現在は個人で開業されていますが、当時の主治医である福島達樹先生には一番感謝しています。

こういったケガをするまでは、まったく知らないドクターでしたが、周りからの評判も高く、最後まで面倒を見てもらえたことは本当に運が良かったです。

偶然の出会いとはいえ、ご縁には感謝しています。

脊椎の関係でお悩みの方にはぜひ、おすすめしたいドクターです。

記事を書いた人

ちゃおんぱむ

いろいろなことに興味を持つようにしています。

趣味は、レース・自転車・旅行・食べ歩きなど

最近はブログ作成にはまっています。

twitterはこちら( @ciaonpam

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