先日、パンクに便乗する形でタイヤ交換を決行してみた。もともと付いていたタイヤはKENDAで具体的な銘柄が書かれていない純正装備タイヤ。そして、今回履き替えたタイヤはシュワルベのコジャック。見た目から重そうなブロックパターンありのタイヤからフルスリックに替えたのだが、素人なりに感じたことを書き記すことにした。もともと、ペダルの漕ぎだしが重たくて、スリックに替えたかったのだが、結果はどうだったのか。
KENDA(銘柄不明)のプラス評価点
純正で付いていたのはKENDAの銘柄不明のタイヤ。
ブロックもきちんとあり、どちらかといえばマウンテンバイク色の濃いタイヤだと思う。
さすがはクロスバイクといった感じ。

見た目以上に漕ぎだしが重いのが正直な感想だ
タイヤのセンター部分が一番路面に接する箇所だが、スリックに近い形状をしている。
サイドに行くにつれて、凹凸加工が施されている。
太さは1.5インチということもあり、マウンテンバイク色の強いタイヤでありながら、最低限の転がり抵抗を残すためではないだろうかと推測している。
KENDAタイヤに対する筆者のイメージ
ところでKENDAタイヤってどうなのだろうか。
筆者はもともとモーターレーシングの世界が好きで、長いこと観て楽しんできた身だが、KENDAのイメージは決して良いものとは言えない。
とは言っても別に悪くも思っていない。
サーキット走行をしていた10年ほど前はドリフトをする人たちが、縦方向も横方向もグリップ力がないため、タイヤを流すためにわざとチョイスするブランドだというイメージを持っていた。
あくまでも、東南アジア系の格安タイヤというイメージしかない。
実際にmade in Japanブランドと比較してみた。
まずはKENDAから。

215/45/R17というサイズで価格はなんと税込7,330円(2020.11.19現在)。
アドバンスドモデルでこの値段は、正直驚きだ。
カタログの文言を少し引用しておく。
・優れた排水性を実現するV字対称トレッドパターン
・ドライパフォーマンスを向上させるサイドウォールの剛性を高めたケース構造
・正確なコントロール性能と信頼度の高いハイグリップ性能が、イメージ通りのレース展開を可能に。
・リアルスポーツタイヤ
KENDA公式サイトより引用
国産タイヤとの比較
では、国産メーカーはどうか。
筆者が初めてサーキットでスポーツ走行をした時に使用したものと比較してみた。
ただし、当時発売されていたモデルは絶版となり、今は違う銘柄として発売されているので、比較的近いと思われるモデルを参考として載せておく。

ちなみにポテンザRE-71Rの価格は1本20,130円(2020.11.19現在)。
先ほどのKENDA KR20Aが3本近く買えてしまう価格設定だ。
サーキットを走るためのメンテナンスもして、さらにタイヤの出費まで考えると辛いものがある。
自転車のタイヤに話を戻すが、KENDAは格安タイヤというイメージが強く、最初はあまり良くないものかもしれないと思っていた.
でも、さすがに自転車のスピードレンジレベルでは特に問題は起きなかった。
高いものはやはり品質もいいのだろうが、安かろう悪かろうというのは少し古い考えかもしれない。
特に消耗品や趣味の世界では、コストパフォーマンスも大切にしていきたものである。
SCHWALBE(KOJAK) のプラス評価点
まず最初のインプレッションとして路面からの跳ね返り、ロードノイズ、乗り心地から。
肉厚に見えるKENDAの方が柔らかい乗り味と思われがちだが、ほぼ変わらなかった。
KENDAのコンパウンドが硬いのだろうか。
衝撃吸収性は、意外だがシュワルベの方が高いと感じた。
何度かフラットスポットを作るブレーキングをわざとしてみたが、KENDAの方は激しく波を打ってしまった。
乗り心地全般
ロードノイズはKENDAの方がうるさい。
これもコンパウンドの質によるものだろう。
シュワルベはタイヤ幅が狭いだけあって、走り出しは明らかに軽快。
転がり抵抗の小ささからか速度維持もかなり楽。
次にグリップ力・制動力について。
KENDAはコンパウンドが硬い分、制動力も低く感じた。
方向転換をしながらフルブレーキングすると、リアが容易に流れ、スピードや角度によっては前後輪のスライドを引き起こしてしまう。
一方、シュワルベはグリップがあるので、ほとんど流れない。
無理に滑らせても、リアが若干滑るだけで終わる。
グリップの方が勝るため、人の脚力で生み出すスピード程度では綺麗なパワースライドが出来ないのだ。
雨天での走行経験はほぼゼロだが、舗装路であれば、どちらもさほどグリップは変わらないように感じた。
ここについては、溝のあるKENDAの方が気分的に安心して走れるかもしれない。
自身のタイヤにあまり満足していない方は是非、大幅にタイヤを替えてみてはいかがだろうか。
ちょこっと変えるだけではなかなか変化が読み取れないかもしれない。
また、長く乗れば感動も薄れてしまうので、交換して初めて漕いだ時に感じた変化がそのタイヤのインプレッションということになるだろう。
【まとめ】個人的にはSCHWALBEの方が好き
どちらが良いか、悪いかということではない。
ほとんど差はないように思うが、筆者はタイヤの漕ぎだし、静音性、制動力の面で、SCHWALBEの方が性能が高いように感じた。
耐パンク性能はほとんど変わらないと思う。
全体的な走行性能を重視する人は間違いなくSCHWALBEの方を使うべきだろう。