筆者は鈴鹿サーキットの国際南コースにおけるアクシデントで腰の骨を折る大けがをした経験がある。もう8年も前の話になるが、事故の瞬間はいまだに覚えている。その後、特に大きな後遺症はなく現在まで至っているが、将来的な不安がないわけではない。腰椎圧迫骨折と腰椎破裂骨折は程度により名称は異なるようだが、その後の経過報告も兼ねて記事にさせてもらった。
筆者が経験したのは腰椎破裂骨折
圧迫骨折と破裂骨折の違い
基本的には程度の違いだと聞いているし、今でもそのように認識している。
外因的な力が加わって椎体(分かりやすく言えば脊椎の1つのブロック)が、折れるというよりは割れてしまうことを圧迫骨折。
そして破片が散ってしまうことを破裂骨折と呼んで差支えないと思われる。
少なくとも医学的な知識のない人にとっては、これが一番分かりやすい表現ではないかと思っている。
もっと平たく言えば、圧迫骨折よりも破裂骨折の方が、ケガの程度としては酷いものだと思っている。
筆者は破裂骨折の経験者になるが、主治医からは断然手術を勧められた。
圧迫骨折であれば、一般的には保存療法という手法を取ることが多いと聞く。
手術せずに、骨が固まるまで絶対安静にしているというのが保存療法だ。
破裂骨折は手術が勧められるのが一般的
破裂骨折は砕けた骨の破片が飛び散ることが多いらしく、筆者は後方の脊髄に触れているものがあったと聞いている。
筆者は第一腰椎破裂骨折(L1破裂骨折)だった。
まずは、砕けた骨によって脊髄に掛かる圧力を取り除く手術(後方除圧)をしなければならないということだった。

除圧が終われば、次は砕けて大きくかけてしまった腰椎を骨セメントで修復してあげる手術となる。

そして、最後はセメントで修復した上下の骨にボルトを埋め込んで腰椎の動きを抑えて安静化というか安定化を図る手術の三段階に分かれる内容だった。
上下とは、第一腰椎であれば胸椎の12番目(上)と腰椎の2番目(下)のことを指す。
骨を固定する金具を抜くかは状況次第
きちんとセメントが固まって、安定させることは絶対必要になる。
安定した後に、仮固定するために埋め込んだボルトを外すことを抜釘術と言う。
筆者が受傷したのは30代前半だった。
将来のことを考えると抜釘術を受けることをオススメするということで、固定の手術から1年後に再度手術を受けた。
なお、将来的なリスクは大きく2点あるようだ。
1点目は、いくらチタン金属とはいえど、交通事故など強い衝撃が加わると折れてしまう可能性があるということ。
もう1点は、経年で金属の上に骨が形成されてしまうと、抜釘自体が非常に困難になってしまうこと。抜釘のために、骨を削らなければいけないということだった。
最初の手術から8年が経過
最初の手術は2013年の夏だった。
そこから8年、抜釘の手術から既に7年近くが経過しようとしている。
幸運なことに、今のところ後遺症はない。
強いて言えば、うつぶせの状態で本を読んだり。くつろいだりできないことだ。
長時間、背骨を反ったままでいると、動き出しの時に激痛が走ることがある。
滞在時間や角度にもよるが、何度か激痛が走ったことがあり、そこからはトラウマになってしまって避けている。
あとはごくごく普通の腰痛だろう。
もともと腰痛持ちの人間だから、時々腰が痛んだりすることはあるものの、事故のケガのせいでというのはないと思っている。本当にありがたいことだ。
まだまだ10年経過していないのでこれからも怖い
後遺症がないとは言っても、たかだか10年も経過していないレベルなので、長い人生を捉えた時に、後遺症が出てくる可能性としては決してゼロではない。
そこに関しては、当時執刀してくれたドクターから話をしてもらったことがある。
非常に著名な医師だったが、いくらでも悪くなる可能性は少なからずあるので、日常生活では気を付けるようにとのことだった。
意識している禁忌行為は案外少ない
一番の禁忌行為として言われたのは、スノーボードのように人間の跳躍力以上のジャンプをして地面に着地すること。
ジェットコースターやバイク、車などの横の移動の衝撃よりも、スノーボードのジャンプによる縦の衝撃の方が禁忌行為らしい。
もっと細かいことを挙げる。実際に言われた禁忌行為だ。
- 椅子に座るときに全体重をいきなりかけるような座り方
- 一気に重量物を持ち上げるような力のかけ方
- 腰をひねる角度
- とにかく無理はしない
など、多岐に渡る。
もし破裂骨折をしてお困りの人がいれば、本記事が少しでも参考になって欲しいと願うばかりである。
【まとめ】腰椎破裂骨折で後遺症が残らなかったことは運が良かっただけ
いろいろな方のブログやインターネット記事を見ているといかに腰椎破裂骨折が危険なものかということが理解できる。
もう少し、別な形で脊椎に力が加わっていたらと考えるだけでぞっとする。
大きな後遺症がなく、現在に至っているのは本当に運に恵まれただけだろう。そういった意味では、本当に感謝しかない。