2019年8月1日にパーソルホールディングスから「an」の終了のリリースがありました。
求人誌は廃刊、そして求人サイトはクローズ。
採用の仕事をしている人たちに与えたダメージは大きかったです。
anはインテリジェンスという会社で運営されていた期間が長いブランドでした。
㈱リクルートのタウンワーク、ディップ㈱のバイトル、㈱マイナビのマイナビバイトとともに親しまれてきたメディアですが、背景にはあるものを考えてみました。
anは創刊52年
1967年に創刊された「日刊アルバイトニュース」が前身です。
2019年に創刊52年を迎えたパイオニア的な雑誌です。
きゃりーぱみゅぱみゅ、アンガールズなど多くの著名人がイメージキャラクターを務めてきました。
紙メディアからスタートして(現在は廃刊)、求人サイトの展開、LINEバイトとのコラボなどいろいろな展開をしてきました。
終了に至った経緯は、運営会社であるパーソルホールディングス㈱のIR情報のページに非常に分かりやすく表記されていました。(※2021年7月現在は記事が消されており、閲覧ができません。)
2大メディア「an(アン)」「doda(デューダ)」を展開してきたパーソルホールディングス。
- anはアルバイト・社員向けのメディア
- dodaは正社員向けのメディア
広く知られています。
労働人口の減少、求人メディアの在り方、採用手法の変化のなかで、より営業効率の高いdodaへの事業集中が図られたのです。
an事業単体で赤字ではなかったので、先行きを見据えた事業判断だったと言えます。
採用担当者から見たan
僕は愛知県に本社があるアウトソーシング会社で採用を担当をしています。
少し厳しい表記もしますが、個人的な意見として読み流してください。
紙文化の強い中部地方でも、複数のメディアがインターネットへの移行を進めました。
an、dodaもその1つになります。
最近は街中で見る求人誌はタウンワークくらいしかありません。
競合が減っていくのでリクルートとしては販路も拡大しやすかったのです。
LINEバイトとの新しい取り組みもされていましたが、魅力は薄かったです。
日本人はSNSツールで仕事・アルバイト探しを積極的にしないもの。
面接に来る人に質問しても、SNSツール経由の応募者にはあまり会ったことがありません。
とくにLINEの1番の使用目的は友達と連絡をとることです。
たまにフォローする公式LINEは、読み流し・未読無視がほとんどです。
求人メディアの今後の方向性
求人メディアの統廃合、新規サイト立ち上げなど運営会社によって方向性は違います。
ネットメディアだけを見れば、まだまだ新しいものが立ち上げられています。
求職者の仕事探しの在り方も大きく変わってきました。
タウンワークを見る、anを見る、マイナビバイトを見る、それぞれ訪問して求人情報を見る人は減りました。
「indeed」でキーワードだけ入力して一覧を表示する。
そして気に入ったところだけ詳細を見て、一括応募する人の割合の方が高くなっています。
オウンドメディアに力を入れ始める会社も増えてきています。
とはいっても、まだオウンドだけでは競争力がないので、各メディアに頼るのが現実です。
数年経てば、また力関係は変わっていくものです。
過去記事でオウンドメディアについて書いたことがあるので参考程度にお読みください。
僕は求職応募のコールセンター業務もしていますが、indeedを見て電話をされる方が増えてきました。
indeedは求人検索まとめサイトなので本来は他のサイトに飛ぶのですが、なじみが薄いようで理解してもらえてません。
逆に言えば、それぞれのサイトに対する認知度が低くなってきたということです。
anのメディア終了はまだまだ、これから起こる求人市場の変革の一端です。
関わってきた物事が大きな変革を迎えるのは寂しいことでもありますが、楽しみでもあります。
【まとめ】indeedが主流になることは間違いない
求人サイトの入り口がindeedになってきたことは間違いありません。
今後は、サイト自体のブランディング力が強く問われることになります。
現時点ではindeedを完全に切り離してメディア運営することも、また難しいものです。
今、一番すべきことはオウンドメディアの強化とindeed対策です。
有力メディアを終わらせた原因となったindeedの力は強力です。
記事を書いた人
ちゃおんぱむ