ここ数年は、求職者有利の状況が続いています。
仕事を探す立場としては喜ばしい状況ですが、会社側は苦労の連続です。
そういった状況もあって、人を集める会社側はいろいろな取り組みを行っています。
とはいっても、全体的に見れば「金銭面」でのメリットのぶら下げが多いように感じます。
採用担当の視点からも目に余る案件が目立ちます。
実際これからもずっとそんな取り組みが続くとはなかなか考えられません。
どこかで破綻がおきてしまうのではないかと懸念しています。
仕事探しにおける状況
僕は愛知県在住なので、愛知労働局がまとめている数値を見てみました。
原数値と季節調整値の2つの数値がありますが、基本的には季節調整値で見ればいいです。
1.94倍(2019年8月実績)となっています。
求職者1人あたり1.94件の仕事があると考えればいいわけです。
年次で比較しても数値が上がり続けています。新卒採用も同じです。
仕事を探すことが楽になってきていると思われがちですが、実際は決してそうではありません。
中間管理職(候補)や間接部門、ハイクラス求人案件はまだまだ狭き門です。
大手企業に入るのもまだまだ狭き門、新卒だから、中途だからというのはあまりないものです。
応募者に寄せすぎの案件に魅力はあるか
派遣会社の求人件数が大きく伸びています。
求人誌を開いたり、求人サイトを見ても嫌というほどの案件が出てきます。
支払い条件があるにしても、就職が決まるだけで祝い金として現金がもらえる仕事が愛知県だけでも、2,639件もあることに驚きます。
祝い金は、2、3万円のおこづかい程度から50万といった破格のものまで幅広いです。
お金に関するメリットはバブル期の新卒採用と同じなのかもしれません。
当時は内定や内々定だけで海外旅行に連れてってもらえるイベントもあったようです。
祝い金だけではありません。
- すぐに社員寮に入れる
- 履歴書なしで面接可能
- 給料の前払いが可能
- 日払い給与システムがある
- 車を借りられる
応募者の手間を取らせない取り組みもたくさん見かけます。
ここまでしなければならないと考えると驚きというか寂しさみたいなものも感じます。
仕事えらびの前提条件が大きく崩れますが、ある意味では企業努力なのかもしれません。
カラクリ求人広告は破綻するもの
不景気になると、仕事が減り、こういった条件の仕事は自然と姿を消していくはずです。
コストがかかり、売り上げや利益の確保が難しいなかで、いつまでも背伸びを続けることは困難です。
とくに派遣業界は、派遣社員1人あたりの利益額はそれほど高くありません。
どこから祝金などの経費を捻出しているのか疑問に感じることもあります。
求人広告においては、当然発行元のメディア会社も厳しい目線でチェックしています。
それはハローワークの求人票でも同じです。
数年前にとある会社(たち)が誇大広告を出して、実態がないと判断された経緯があります。
出す方も出す方だが、応募する人の目線でも疑いの目で見ないといけません。
祝金については「規定あり」と小さく表記している広告が目立ちます。
お金をもらうのであれば当然、条件があるということです。
会社側も利益確保のために、ほいほいと全員にかんたんに支払うわけではないことも少し考えれば分かるものです。
そういう美味しいメリットはどの広告も目立つように表記されています。
時給でもそうですが、だいたいの案件には幅が持たせてあるのが一般的です。
例えば「※日払い有!(規定)」は支払曜日の規定だったり、出勤欠勤の状況、上限額などの何らかの規定があるものです。
次に「時給1300円~1700円」は詳細を見てみないと分かりません。
案件や働く場所によって時給が異なるというのもありますが、中には残業手当や深夜割増手当を含めている場合があります。
時間外手当については、だいたいの会社が25%アップです。
例えば「時給1000円~1250円」という場合はまさしくそれです。
一方で、「時給950円以上」という場合は、残念ながら時給は950円であることがほぼ全てです。
そんな目線で見ると求人広告も少し面白いものです。きちんと見抜く、「疑いの目」が必要なのです。
【まとめ】求人広告の裏側もきちんと見るべき
ほとんどの人が求人広告を見てから仕事に対して応募をするものです。
金額や勤務地だけで決めるのではなく、募集の背景だとか裏側もきちんと見てから応募すべきです。
いずれにせよ、美味しすぎる求人募集にはなんらかの裏があるものです。
きちんと確認することが必要です。
記事を書いた人
ちゃおんぱむ